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社員教育相談室

「自主性」と「主体性」【社員教育相談室】

- 自主性から主体性への変換、成長させる社員教育 -

1. 「自主性」とは

自主性というのは、あることに対して率先して行動することです。例えば、「掃除をする」という決められたテーマに対して、自ら率先してやることです。「イヤイヤ」やるのではなく、「ハイ、よろこんで!」と笑顔で答え、誰よりも早く行動に移し、一生懸命にやることと言えます。物事に対する「やる気」の現れのようなものであり、新入社員に求められる行動力です。

2. 「主体性」とは

「自主性」が決められたテーマの中で発揮される行動力に対して、「主体性」とは何をすべきか決められていないことを、自分の意思で決断し、行動することです。主体的な人の行動は、他人の意見に流されることがありません。また、自らの行動に責任を取ります。人々と協調しながら目的を達成することができます。

簡単に言うと、自分の頭で考え行動することができる、周囲に良い影響を与えることができる人です。

 

「自主性」はある意味、管理された中での率先垂範、優等生的な行動であるのに対して、「主体性」は自分で考えて行動することです。「自主性」が歯車のひとつであるのに対して、「主体性」は全てを包括させた人間としての動き、生きていることそのものと言うことができます。

 

主体的な行動をとれることがリーダーや管理職への登竜門であると言えますが、実際は、主体的な人はリーダーや管理職であっても決して多くありません。能力の問題ではなく、心のある部分のブレーキと自己肯定感の低さが主体性を阻害しています。「出る杭は打たれる」であったり、会社の中にある「ワンマン経営」や「理不尽さ」が自分の頭で考え、行動する人材の育成を阻んでいるのです。

 

歯車の一部としての人材育成しか行っていない企業は、根っこを数人の経営幹部で支えるしかありません。小規模の時はなんとか支えることは可能ですが、社員が増え、枝葉が伸びてきた時には支えきれなくなります。

 

本来、主体的に行動することが、人間としての喜びであり、自己肯定感を育んでいきます。生き様、生き方、価値観、アイデンティティーなどと同じです。

 

会社や仕事を通して、主体的な行動がとれる人は、人生に喜怒哀楽があり、豊かな人生を送ることができるでしょう。反対に主体的な行動がとれない人は、何のために自分が存在しているかすら、わからなくなります。自己防衛のために、会社批判、社長批判をして定年を迎える人も少なくありません。

 

では、社員の主体性を育むにはどうしたらよいでしょうか。

「主体的に行動しなさい!」と叱責しても、できるようにはなりません。しかし、実は人は本来「主体的に行動したい」と思っているのです。ですから、環境を整え、主体的な行動を認めてあげれば良いのです。社員の意見を聞く、社員に任せる、社員を認めるという組織の在り方が主体的な人材を育てます。

 

「うちの社員は全くと言っていいほど自分で考えて行動しようとしない」と嘆く経営幹部の皆さんは、職場環境を少し見直してみると良いでしょう。

 

 

最後に、「100万回生きた猫」という絵本をご存知でしょうか。

あらすじは、「100万回生きた猫がいました。その猫は常に飼い主の元で飼われていました。国王の猫、船乗りの猫、サーカスの手品つかいの猫、ひとりぼっちのお婆さんの猫、小さな女の子の猫…と100万回生まれかわっては、様々な飼い主のもとで死んでゆきます。その度に飼い主は悲しんで泣きますが、100万回生きた猫は死んでも平気でした。
ある時、100万回生きた猫は誰の猫でもない野良猫となっていました。そして白猫のことを好きになります。思いが叶い白猫と結ばれます。白猫はたくさん子供を産み、年老い、やがて猫の隣で動かなくなりました。そこで猫は初めて悲しみます。100万回泣き続けました。 そして猫も、とうとう白猫の隣で動かなくなり、それ以後生き返ることはありませんでした。」

 

というお話です。この話のテーマを「愛」と捉える人は多いのですが、私は100万回生きた猫が最後に初めて自分の人生を生きたのだと思いました。だから最後に満足することが出来、もう生き返ることはなかったのだと。

誰かの飼い猫ではなく、自らの人生を主体的に生きることができたという物語に思えました。

 

社員の皆さんも、企業の中で主体的に生きることができたなら、もっともっと会社を好きに、そして自分を好きになることができるのではないかと思うのです。

 

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