部下育成「誉め方」
― 誉めると良い方向に回転する―
1. 誉めると組織も伸びる
現、横浜市長を務めている林文子さんは、以前、車のセールスをしていました。入社1年目からトップセールスウーマンの道を歩いた林文子さんは、難しい仕事を次から次へと与えられます。
ある時、任ぜられたのが、潰れかけそうな販売店の支店長としての勤務でした。販売店の再建に彼女に白羽の矢が立ったというわけです。
赴任してみると、「ダメな販売店はここまで空気が淀んでしまうものか」と思ったほど、都心の立派なショールームの中は空気が暗く、社員もやる気を失い、どこから手をつけてよいかわからなかったそうです。
林文子さんが何をしたか、とにかく誉めたそうです。
「都心の一等地はやはりいいわね」「駅から近くて便利ね」など、目につくもの全てを誉めたそうです。
すると、しばらくするとあれだけ淀んでいた支店の空気が次第に明るくなって行き、社員もやる気を出して、ナンバー1の販売店にしてしまったそうです。
誉めると人も場も明るくなります。誉められた人はやる気になります。期待に応えようとします。
2. 誉め方のポイントは具体的に
誉め方のポイントは何を誉めるか、事実を具体的に示してあげることです。
「すごいね、よく○○ができたね」「さすが○○さんの提案書だね」「これを任せられるのは○○さんしかいないよ」「諦めずによくがんばったね」「○○さんに頼むと早くて助かるよ」
3. 結果だけでなくプロセスも誉める
結果はプロセスがあってはじめて実を結ぶものです。営業成績が上った営業マンは何がよくなったから数字が出せるようになったのか、訪問件数が増えたからなのか、お客様のニーズが聴けるようになったからなのか、結果のもととなるプロセスも誉めてあげると、誉められた以上に、しっかりと見てもらっているという信頼感につながります。
4. 誉めると「そういう人になる」
誉めることはその人の人格に大きく影響を与えます。「○○さんは優しいね」と言われれば優しい人になり、「○○さんはハキハキと話して気持ちいいね」と言われればハキハキした人になります。
第3者の「人格を現す言葉」によってその人が作られると言ってもおかしくありません。
「さすがだね」と言われる社員は期待に応えようと仕事を頑張ります。「だめだね」と言われる社員はこれまた期待に応えようとダメ社員になります。
部下を伸ばす誉め言葉をかけてあげられるようになりましょう。
誉め言葉に正解も不正解もありません。なぜなら誉める側の感じたままの言葉が誉め言葉なのですから。
できれば部下に「今までにこんなこと言われたことがない」というポイントを探して誉めてあげましょう。部下の人間としての幅が広がります。
4. 上級の誉め方
面と向かって誉められるのも嬉しいですが、間接的に誉めるのは効果抜群の上級者テクニックです。
「○○部長が会議の席で君のことを誉めていたよ」なんて言われたら誰でも嬉しくなるでしょう。
間接誉め言葉は3倍の効果があります。また、間接悪口は人間関係に修復不能なほどのダメージを与えます。間接的に人の話しをする時は、誉めることを心掛けた方が幸せです。
5. 「~らしくないな」
ミスや失敗をした社員に対して「こんなミスをするなんて○○らしくないな」という言い方は、相手の自尊心を傷つけることなく注意する方法です。
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