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【親のこころ・・・】

初夏の陽気が戻ってきました。
慌ただしい新入社員の入社時期があったいう間に過ぎて行きまして、

ようやく少し落ち着いてきた頃ではないでしょうか。

 

この間、ほんとに様々な事が起こり過ぎて行きましたね。

政治の世界に始まり、経済、社会情勢、つい先日の関西での新型インフルエンザの対応…などなど。

 

目まぐるしく変化していく世界の中で、
おそらくずーっと昔から変わらないものをご紹介いたしましょう。

 

4月の初めのことです。

 

今年の新入社員は、『エコバック型』というのだそうです。
ゆとり教育の最中に育ってきた割合とのんびり、ゆるく成長してきた世代がこの春、

新社会人としてデヴューしました。

 

あちらこちらでスタートアップの研修に参加してもなるほどな、と思える人材たち

ではありますが、とあるIT系の企業でのお話です。

 

私たちとは昨年来の新しいお付き合いのこの企業の人事部長は、

この春入社してくる新人たちに、何か歓迎の意を表し、

驚かせる入社式は出来ないものかと智恵を絞りました。

 

華やかな入社式はご時世的にそぐわないし、

かといって通り一遍の式次第で終わらすのもどうかと考えに考え抜いた末に、

今までしたことがない仕掛けを思いつきました。

 

それは、新入社員の親御さんに新社会人となるわが息子・娘へのメッセージをもらうこと。

入社式の中で、彼らの子どもの頃の写真を写しだし、親御さんからのメッセージを流す。

本当の意味で親からの巣立ちにはもってこいなのでは、と考えたのです。

 

今までしたことがないだけに、手順も方法も分からなかったそうです。
一人ずつのご実家に電話をかけ、趣旨を説明し、協力を乞い、

お手紙と写真を送ってもらいました。

 

もちろん本人たちにはナイショです。人事部長はとても緊張したそうです。

 

のちにメッセージと添え状を拝見させていただきましたが、

添え状には異口同音に、いやほぼ同じ文言で、迎え入れてくれる会社とわが子を

大切にしてくれようとしていることに対しての感謝の言葉が綴られていました。

 

私は不覚にもそれらを一つずつ拝読したとき涙が溢れてきていることに気づきました。

割と感激屋なのですが、久しぶりの気持ちでした。

 

ずーっと子どもを育ててきて、大きくなり、

いよいよ社会に出ようとするとき、

親として不安や心配がピークになっているまさにその時に、

入社していく会社が子どもにメッセージを、なんて。なんと素敵なことで
有り難いことなのでしょう。

 

昨年の暮れから内定取り消しが云々されてきて、

ただでさえわが子の入る会社はどんなところで、大丈夫なのだろうか、

などの心配がおそらく普段以上にあったことと思います。

 

たとえ景気の良い中であったとしても、

子どもが就職していく先の企業や組織がどんなところなのかなんて

わかる術すらないでしょう。

まして実家を離れて一人暮らしをするなんてことになったら・・・
心配でたまらないのではと思いを馳せました。

 

入社式では、新入社員よりも迎え入れる先輩社員の方がもらい泣き

していたそうです。

きっと全員のモチベーションが最高に上がる入社式になったことでしょう。

 

今は少子化で子どもが少ない分だけ、大切に育てている家庭が多いですね。
愛情たっぷり物質的にも精神的にも満たしてあげる親が多いのかもしれません。

が、子どもは地域と社会においても育てていかねばならないのでしょう。
むかしは親だけでなく近所や知らないおじさんにまで育ててもらいました。

 

今の時代だってこんな風に子どもを大切に育てることができるのだとういう

証明のような話だと思います。
親の子を思う案ずる気持は変わらないのですから。

 

もうひとつ・・親の心子知らず。親になればわかります。

ある方が言ってました。

「孝行したい時に親はなし、だから生きているうちに孝行しとけって。

あれは嘘だぞ。親が元気なうちに孝行しとけよ。

寝たきりになってからじゃ、孝行にならないぞ。」
もしかしたらこれも実感なのでしょうか・・・

 

このIT企業の新人のみなさん、親孝行はまず会社に貢献できる力を

つけるところから始まります。

 

こんな素晴らしい部長のいる会社なのですから、大いに力を発揮してくださいね。
エコバックの型を破るくらいの活躍を期待しています。

 

この会社の皆さんに限らず、すべての新社会人・新入社員のみなさん、
世の中を良くしていく仲間になったことを歓迎します。

 

親から受け継ぐこの世界を次の世代にもっと良くして引き継ごうじゃありませんか。
ともにがんばりましょう!

 

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